半衿

半衿

長襦袢に縫い付けて使う替え衿のこと。
実際の衿の半分ほどの長さのため、「半衿」と呼ばれています。
半衿の役割は長襦袢や着物に化粧品や整髪料、皮脂汚れが付くのを防ぐこと。

現代では、普段着にも礼装(フォーマール)にも使えるとあって、
白の半衿が定番になっていますが、白は汚れが目立ちやすいもの。
着物がもっと身近だった頃は、色柄物や刺繍の半衿が一般的でした。


白半衿
▲着物の内側、白く見えるのが半衿


長襦袢と半衿
▲長襦袢に縫い付けた刺繍の半衿


素材

素材は絹(光沢のある塩瀬[しおぜ]、シボシボした縮緬[ちりめん])の他、
お手入れの簡単な綿やポリエステルなど。
夏には絹やポリエステル(夏用に透け感のある織り方をした、絽[ろ])や麻などを使います。



コーディネート・格

面積は小さいけれど、顔に一番近い半衿。着物姿の印象を大きく左右します。
着物や肌の色に合わせて、自分に似合う半衿を見つけましょう。
場に華を添える訪問着や振袖ならたっぷり刺繍の半衿。
個性の強いアンティークの着物なら、当時風にこっくりした色柄の半衿。
年を重ねて肌のトーンが下がってきたなら、少し黄味のある優しい色合いの半衿。

そして困った時には白半衿。
合わせる着物を選ばず、普段着でも礼装でもどんなシーンでも使えるマルチ半衿です。

※お茶会に出る時や改まった場で留袖を着る時には色柄・刺繍ものではなく、白半衿にしましょう。



お手入れ

汚れたら長襦袢から取り外して洗い、繰り返し使います。

素材が絹(塩瀬)の場合は、長襦袢から半衿を取り外し、
水を張ったタライにおしゃれ着用洗剤を数滴たらし、一晩つけ置き洗いをします。
翌日まだ汚れが残っているようだったら、ブラシに石鹸を軽くつけ、
優しくこするようにして汚れを落とします。
その後、流水でしっかりすすぎ、軽く絞ったら陰干しをします。
まだ軽く湿り気が残っている頃に、当て布をしてアイロンをかければシワも伸びやすく綺麗に仕上がります。

ちょっとの汚れなら、ベンジンやリグロインなど揮発性の溶液を使って落とすこともできます。
こちらは油性の汚れに効果があるものなので、皮脂汚れやファンデーションの汚れに使えます。
半衿は長襦袢につけたまま、下にタオルを引いてたっぷりベンジン(またはリグロイン)をつけたガーゼで
トントンと叩いて(決して擦らずに!)汚れを落とします。

ケチらずにたっぷりの量で落とすこと、揮発のスピードが早いのでモタモタしないこと、換気をすること。
この3つに気をつけて挑戦してみてください。

半衿の素材がポリエステルや綿なら手洗いか、洗濯の「弱」コースで洗いましょう。
長襦袢も半衿もポリエステル素材なら、取り外さずに長襦袢ごと洗濯できるのでお手入れもずいぶん楽になります。

※デリケートな素材、細かな刺繍が入った半衿、シミをつけてしまった場合などはプロにお任せするのが安心です。
 お手入れはご自身の判断で。



手作り

手作りというほどでもないのですが・・・
半衿はおよそ16cm×1110cmの長方形の布。
市販の半衿ももちろんバリエーション豊富に作られていますが、
自分でこのサイズの布を用意すれば半衿に代用できてしまいます。

例えば手ぬぐい。ちょっと地厚で綿ならではのほっこりした表情なので、紬の着物や木綿の着物に合わせて。
例えばアンティーク着物のハギレ。パンチのある着物と絶妙なバランスでコーディネートするのも面白い。
自分で刺繍ができれば、好みの位置に柄を持ってくることも。
ただし一方行に柄付けすると左右どちらかの柄がひっくりかえってしまうので、柄付けにはご注意を。


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