2月も終わりの今、甘い香りとともに見頃を迎えるのは梅の花。梅の名所へ着物で出かけるのも楽しいし、自宅で過ごす日だって、梅のモチーフをコーディネートに取り入れれば季節感のある着こなしを楽しめる。今回はそんな梅咲く季節の着こなしを紹介します。
梅がテーマの記事なのに、写真は桃の節句の準備という矛盾が生じておりますが・・・。コーディネートの主役はもちろん梅の帯。この帯の出番はお正月から2月いっぱいくらいまででしょうか。「2ヶ月しか締められない」と思うか、「期間限定の特別な帯」と思うかが着物にハマるか否かの分かれ道。
帯が引き立つように着物は補色にあたる緑に。渋い色でも地味になりすぎないのは、大きく入った地紋と光沢のある綸子の素材感ゆえ。着こなしを引き締めるのは、万能アイテム辛子色の帯揚げ。色は鮮やかなのに、悪目立ちすることもなく、どんな着物や帯にも合わせやすくて重宝する1枚。
梅が主役のコーディネート
【着物】 仕立て:袷 素材:正絹 柄付け:小紋
【帯】 仕立て:9寸名古屋帯 柄:梅(染めと刺繍) 素材:正絹
【帯揚げ】素材:絹(縮緬)
【帯締め】素材:絹
【長襦袢】素材:正絹
【半衿】 素材:ふくれ織り
「着物には興味があるけれど、どこへ着て行ったらいいの?」とはよく聞くフレーズ。そんなお悩みには「お花見」とお答えしたい!梅を皮切りに、桜、ツツジ、紫陽花、ひまわり、菊と四季の国ニッポンは1年を通して色んな花が美しい。花と着物の相性が良いことはもちろんだけれど、いわゆる名所と呼ばれる場所なら花見の時期にはお祭りが開催されているはず。そのイベント感は良い意味で着物の特別感を打ち消してくれるから、普段着物を着ない人でも抵抗なく着物を着られると思うんです。ということで続いては梅を見に行く日の着こなし。
寒い冬にも緑を失わない松、まっすぐと伸びる竹、早春1番に花を咲かせる梅は、「松竹梅」のセットで縁起の良いモチーフ。帯には「松」、着物は「笹=竹」、そして梅を見み行けば完成する『松竹梅コーディネート』。
翁のお面が刺繍で描かれたアンティークの帯でインパクトのある後姿に。花見のお祭りにはちょっと目を引くくらいの着姿がちょうど良さそうです。
梅見で完成する松竹梅コーディネート
【着物】 仕立て:袷 素材:正絹 柄付け:小紋
【帯】 仕立て:9寸名古屋帯 柄:松と翁(刺繍) 素材:正絹
【帯揚げ】素材:絹、箔ちらし
【帯締め】三分紐
【帯留】 素材:ガラス・箔
【長襦袢】素材:正絹
【半衿】 素材:正絹
【簪】 素材:水牛のツノ