草木染めを持ち帰って

型染め・草木染め

着物を好きになって、そうして染めにも興味を持った私には“染める”とは職人さんのものでした。だけれど先日出かけた草木染め体験。そこで発見したのは自分の手で染めるという楽しみでした。

型染め・草木染め

出かけたのは藍熊染料さんで行われていた草木染めの1日体験講座。今回のお題はこの日の先生・山崎樹彦さんご自身で彫られた型を使って染める、四季の植物図案です。

型染め草木染め

まずは先生のお手本から。色別に分かれた型紙ごとに順々にハケで色を重ねていきます。先生がくるくる輪を描くようにハケを回して色を移していくと、綺麗なぼかしまで入ったカキツバタがふわっと染め上がります。


草木染め

横着をしてハケに含ませた染料を十分に取らなければ滲んでしまうし、気を抜いて型をずらしてしまえば線がブレてしまう。そんな難しさと面白さをを乗り越え、私ももくもくとクルクル。

草木染め

今回は型染めでもありますが、草木染めでもあります。菊の花はラックと黄金花の根っこ、葉は黄金花に藍を混ぜて色を出しています。ハケで染料をのせた後に媒染(ばいせん)という作業を経て、菊の花がふんわり色付いたら完成。ムラも滲みもあるけれど、型のデザイン性の高さに助けられてなかなかの出来栄えと自画自賛です。

聞けば自宅でも草木染めはできるそう。ということで藍熊染料さんで材料を揃えて今度は自宅で即席kifkif工房のオープンです。

草木染め

せっかく型染めを体験したので、型から彫ってみることにしました。なので染料やハケなどの他に型紙とカッター、下敷きも用意。今回の染料は藍を使いやすく棒状にした“藍棒”と黄金花の根っこです。無調整豆乳は藍の色を定着しやすくするため、その下のミョウバンは最後に色の定着と発色をさせる「媒染」の工程で使います。

型彫り

まずは型。kifkifのアイコンにも使っている雁(カリガネ)を!と張り切りましたが、下絵をカッターでなぞっていくだけ・・・のはずなのに、刃先はあらぬ方向へ進みやり直すこと数回。なんとか形になりました。

藍染
藍染

型を彫り終えて、お次は染料の準備です。藍色は豆乳を3倍に薄めた液を作り、そこに藍棒をくるくると溶かして染液を作ります。黄金花は500mlの水に対して黄金花10gを入れ、50〜60mlほどになるまで煮詰めます。出来上がったそれぞれの染料を混ぜて緑色の雁を染める予定です。

草木染め

色ムラはあるものの、さほど滲まず染められたようです。媒染するまでは藍の色が強くほとんど緑は感じられません。

最後の工程は媒染です。鍋に水1リットルと焼きミョウバン2gを入れて火にかけ溶かします。粗熱が取れれば媒染液の完成。これに染めた雁タオルを投入。ここでじんわりと緑色が出てきます。5分ほどゆするようにしっかりと媒染液に浸します。

草木染め

媒染後、しっかり水洗いをして乾かしたら完成です!洗濯機で回してもさほど色落ちもしませんでしたが、少しずつくすんだり褪せたりしてくるのだと思います。雁紋一つ入っただけですが、なんだか誇らしい感じ。

少し身近になった“草木染め”。今度は手ぬぐいでも染めてみようかしら、なんてまたひとつ家での楽しみが増えました。


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