まだ東京に出てきて間もない頃。三社祭に賑わう浅草で見かけた格好の良いその人は、白地に藍の浴衣でした。白と紺とで柄を織り出した博多献上の名古屋帯を締めた胸元には天紅の扇子。熱気に火照った頬、結い上げた髪、それを崩さぬように汗を押さえるてぬぐい。その一つひとつが今も鮮明に蘇るほど格好良かったのです。
はてさて、そんなたたずまいが似合う女性になるにはあと幾許か。憧れを胸に本日の浴衣と相成りました。
今日のゆかた 蝶々
浴衣:丸久商店 綿絽 蝶々
帯:博多献上の半幅帯
根付け:華鎖り ひょうたん アンティーク
かんざし:一本挿し アンティーク
下駄:鎌倉彫舟形 真田紐の鼻緒