良いコトこいこい、縁起物

縁起物

良いことがありますようにと願いをかけて、縁起を祝う縁起物。しめ縄飾り、七福神、羽子板、お守り、引越し蕎麦だって縁起物。元は社寺やお祭りで貰ったり買ったりするものを指していましたが、今はお店で買うことができるものもたくさんあります。何か絶対の約束をしてくれるわけではないけれど、叶えたいことや幸せを願う気持ちをゆるっと応援してくれる縁起物。我が家に少しずつ集まってきた縁起物たちを紹介します。


招き猫


招き猫

右手をあげている猫はお金を引き寄せ、左手をあげている猫は人を引き寄せる。手が長い猫は遠くの福を、手が短い猫は近くの福を引き寄せる。両手を上げて、両方招くと見るもあれば、お手上げと見るもあり。大きさ、顔つきも様々ですからピンと来る、そんな一匹を連れ帰りました。


招き猫

江戸時代、彦根藩主の井伊直孝が、鷹狩りの帰りにあるお寺の前を通りかかると、白い猫が手招きしていたそうです。手招きに応じて寺へ入ると途端に落雷が。雨宿りの間に和尚と井伊直孝は仲良くなります。それをきっかけに、その寺は井伊家の菩提寺として、名前を豪徳寺と改め立派に改築されたそうです。

猫の手招きから立派なお寺として栄えた縁起を祝って豪徳寺は招猫堂を立てました。これが招き猫の始まりと言われています。そんな逸話が残る世田谷の豪徳寺は、今も招き猫がいっぱいです。


だるま



禅宗の開祖とされるインド人の達磨(だるま)大使をかたどった縁起物。達磨大使もまとっていたという赤い布そのままの赤い体に勇ましい髭とまゆ。それでもどこか愛嬌のある表情は日本らしいなと思います。豊作、家族の幸せを願うとともに、起き上がり小法師と同じ倒れないデザインで「七転び八起き」の意味が込められた縁起物です。



以前は目が入った状態で売られていたそうですが、やっぱり可愛い顔のものから売れていくもの。売れ残りが出ては困ると、目はお客さんに書いてもらうようになったのだとか。次第に、願いを込めてまずはだるまさんの左目(向かって右目)に墨を入れ、願いがかなったら右目も入れるという今のスタイルになったそうです。


熊手



11月の酉の市で売られているのは、“金運を集める”、“福を掻き込む”、そんな洒落から生まれた縁起物の熊手。化粧といって大入り袋や小判、七福神の人形などで熊手は賑やかに飾りつけられ、見るからに縁起が良さそうです。玄関なら入り口に向かって、部屋の中なら北以外に向けて、高いところに飾り福を呼び込みます。



写真は新宿・花園神社の酉の市。大きさもデザインも様々な熊手の中から商売繁盛を願ってみんな思い思いの熊手を選んでいきます。熊手のサイズは、商売が大きく成功していきますようにと、毎年少しずつサイズを大きくしていくのがお約束。(値段や大きさの都合もあるので、小さくしなければいいようです。)


もともと“縁起”とは仏教用語。直接的、間接的な原因があって結果があるという考え方です。時代が下るにつれて、“縁起”はコトが起こるきっかけを指す言葉にもなりました。日常生活や昔話から、これは“良い結果”を得るためのきっかけになるかもしれない、そんな小さな願掛けが日本にたくさんの縁起物を生み出しました。



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