新しい年を迎え、今年もよろしくお願いしますと神様の元へご挨拶に行く初詣。晴れ着ではないけれど、この1年への思いを着物の柄に込めて、神様への決意表明です。
着物は唐草文様と暮らしの道具を散りばめた生活財文を切嵌(きりばめ)のようにデザインした染めの小紋。茶道具、糸巻き、器にほうき?そして反物も。着物が暮らしの道具と一緒に描かれているのは、当時、着物も日常のものだったからこそ。今年も「日常の中で着物を楽しめますように。」そんな思いを込めました。
帯は龍がどーんと鎮座する縮緬の名古屋帯。龍は神の化身とも、古代中国では皇帝の象徴ともされる伝説上の生き物。そんな龍が手にしている玉は如意宝珠(にょいほうじゅ)。“意のままに願いを叶えてくれる”という魔法の玉が、今年心に決めた目標を後押ししてくれそうです。
年末年始は柄に柄を重ねた着物らしいコーディネートがしたくなるもの。着物と帯、一見どちらも柄の主張が強そうですが、柳色・縹色(はなだいろ)・朱色と共通する色が多いので、にぎにぎとしながらも自然とまとまります。帯留めを如意宝珠に見立てて、初詣コーディネートの完成です。
初詣の着物コーディネート
【着物】 仕立て:袷 素材:正絹 柄:唐草と生活財紋
【帯】 仕立て:名古屋帯 素材:正絹(縮緬)
【帯揚げ】素材:絹(縮緬)
【帯締め】三分紐
【帯留】 ガラス
【長襦袢】素材:正絹
【半衿】 素材:正絹(縮緬)