桜の見頃が終わると途端に暖かくなる4月。明るさを増す日差しの元では、ほっこり柔らかな雰囲気の紬の着物がなんだか暑苦しく見えてしまうことも。そんな日には、紬の柔らかさを小物の色使いで引き締めて、スっとした表情の着こなしに。
男物のような力強さのある太縞の着物は、白地の縞の中に入った細かな格子柄のおかげでどこか可愛いらしい一枚。一見大ぶりな柄付けの着物は着る人を選ぶこともあるけれど、部分的に小さい柄を取り入れたデザインならぐっと着こなしやすくなります。
一方、帯揚げや帯締などの小物や顔が見えない後姿、正面からの印象とはまた一味違います。太縞の強さが主張する後姿を柔らかくほぐすため、帯結びは曲線を描く銀座結びに。帯はちりめん地に型染めでつゆ草を描いた名古屋帯です。
暑さ寒さに合わせた色使い、柄の大小が作る印象、素材の質感や形が作る固さ柔らかさ、それぞれがちょうどよく今日の自分に合うように、ひとつずつ重ねて作る今日の着物の着こなしです。
4月、紬の着物コーディネート
【着物】 仕立て:袷 素材:正絹 紬
【帯】 仕立て:名古屋帯 素材:正絹(縮緬)
【帯揚げ】素材:絹(縮緬)
【帯締め】三分紐
【帯留】 陶器
【長襦袢】素材:正絹
【半衿】 素材:正絹(縮緬)