2017.03.13
仕立て・サイズ
裾まである長襦袢に対して、上半身だけの半襦袢と裾よけ(腰に巻く共生地の布)の二部式タイプもあります。着丈はくるぶしくらいの丈がベスト。(丈が短い分には着物の裾から襦袢が出てしまうこともないので良しとしちゃいましょう)袖丈は着物の袖から出ないように、着物の袖丈と同じか5mmくらい短いものを。最近の着物は49cmの袖丈のものが多いので、この49cmに合わせると色んな着物に合わせやすいと思います。
素材
素材は絹(ツヤツヤした綸子[りんず]、シボシボした縮緬[ちりめん]、つやりと上質な羽二重[はぶたえ])の他、最近では洗えるポリエステル素材もずいぶん増えました。夏には絹やポリエステル(夏用に透け感のある織り方をした、絽[ろ]や紗[しゃ])、麻などを使います。
コーディネート
最初に書いた通り下着とはいえ、袖や衿は見えるので、着物に合った長襦袢を選びたいもの。礼装用には白や淡い色合いのものを(留袖に合わせる長襦袢は白です)。普段着だったら好きな色柄のものをどうぞ。
袖の振りから見えるのは少しだけだけれど、実は意外と目にとまるもの。着物と長襦袢の色の重なりは着物の楽しみのひとつ。着物好きが集まれば「襦袢、ちょっと見せて」なんて話が広がるかもしれないので、長襦袢とて、気は抜けません。
着付け
【正面】
【後姿】
キレイな着姿のコツは、半衿を体の中央で交差させ、バストトップを覆うように合わせること。衿もとをしっかり固定するために、伊達締めを締める前に腰ひもで締め、その上から伊達締めを締める人もいます。そして伊達締めより上にできたシワは、伊達締めの下から引っ張って全て下に降ろします。長襦袢の段階からすっきりした胸元を作ることで、着物姿もキレイに仕上がります。
長襦袢の背中の中央には「背縫い」という縫い線があります。この「背縫い」が体の中央にくる(=背骨と重なる)ことを目安に着付けます。
後衿は首にぴったりくっつかないよう、こぶし1個分を目安に空けます。これを衣紋(えもん)を抜くと言います。
【詰め気味】
【こぶし1個分】
【抜き気味】
衣紋の抜き加減は、ヘアスタイルや体型とのバランスもあるけれど、振袖や訪問着などの格式の高い着物なら多めに抜いて、浴衣や木綿などの普段着は少し詰め気味に抜くのが一般的。長襦袢には、衿の付け根から「衣紋抜き」という長方形の布がついているものもあります。これはこの「衣紋抜き」に腰紐を通して着付けることで、衣紋のつまりを防ぐもの。着付けに不慣れなうちは、あると便利かもしれません。